
2021年4月1日に施行された、福岡県那珂川市の子どもの権利条例は、子どもの権利を包括的に保障しようとする意欲的な取り組みですが、特に子どもの保護に関する実効性において重要な課題を抱えています。
現行の第16条は、虐待やいじめへの対応を「相談」と「通報」に重点を置いていますが、これらの行為だけでは子どもの実質的な保護には不十分です。むしろ、適切な対応がなされない場合、被害の深刻化や二次被害を招く危険性があります。
そこで、第16条を以下のように改正することを提言します。
また、国連子どもの権利条約との整合性の観点から、以下の点についても改善が必要です。
まず、子どもの意見表明権の保障について、現行条例は抽象的な規定に留まっています。子ども会議の常設や政策決定過程への子どもの参画手続きを具体的に規定すべきです。
次に、休息・余暇・遊び・文化的活動の権利について、市の積極的な義務を明確化する必要があります。特に、安全な遊び場の確保や、経済的事情に関わらず文化活動に参加できる支援体制の整備を明記すべきです。
教育を受ける権利についても、現状では不登校児童への支援や、多様な学習機会の保障が不十分です。フリースクールの活用や、オンライン学習の支援など、具体的な支援策を盛り込むべきです。
さらに、障がいのある子どもの権利保障について、合理的配慮の提供義務やインクルーシブ教育の推進を明確に規定する必要があります。
これらの改正により、子どもの権利の実質的な保障が強化され、那珂川市が掲げる「子どもにやさしいまち」の実現に近づくことが期待されます。特に、CPTの設置は、権利侵害への実効的な対応を可能にする重要な一歩となるでしょう。